Survey 03: FORM FOLLOWS FEELINGS
「機能とは何か?」
デザインを語るとき、「機能」は長らく有用性によって定義されてきました。荷重を支え、物を収め、空間に適合する力。しかし、多くの人々が自己や空間、そして日々の営みから乖離しがちな現代において、より切実な問いが浮かび上がります。それは私たちに何をもたらすのか?イタリアデザイン界の巨匠、Enzo Mari(エンツォ・マーリ)が説いたように、デザインは決して形(Form)や機能(Function)の追求だけではありません。それは意味を生み出すプロセスそのものなのです。『Survey 03: FORM FOLLOWS FEELINGS』では、カタチがいかにして感情を宿すのかを探求します。素材、プロポーション、そしてそこに在るという気配が、私たちの記憶や感情、日常の体験をいかに形づくっていくのか。これは単に利便性だけを追求した家具を探求するプロセスではありません。人の歩みそのものを慈しむために誂えられた家具の在り方を深く見つめ直す試みです。音楽は、人間の感情に最も直接的に働きかける表現のひとつです。しかし、その音楽を聴く空間、そこに置かれる家具やスピーカーもまた、体験を形づくる重要な要素です。Devon Turnbullが追求してきたのは、音楽の自然で感情的な本質を表現すること。カリモク家具のプロダクトは、人と共に在ることで初めて生命を宿します。それは鑑賞されるための客体ではなく、音楽や映画、そして日々の暮らしのリズムと共鳴し、体験されるべき存在なのです。Survey 03では、両者の共鳴から生まれた本展を通じて、感情がいかにして形へと昇華されるのかを検証します。素材、作り手、そして使い手の営みの間に流れる、不可視の繋がりを観察していきます。もしカタチが私たちの生き方を規定するのであれば、感情もまたその機能の不可欠な一部であるべきではないでしょうか。